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悲しきラジオ 1170​

2021

ソングブック、ラジオ番組

 

2020年10月、私が大好きだったラジオ番組が終了した。

ボブ・ロジャーズはシドニー(オーストラリア)のラジオ局のDJで、93歳の高齢にもかかわらず、ドライなユーモア、音楽の知識、そしてミュージシャンへのインタビューのスキルにはいつも感心していた。

2019年9月から2020年7月まで西ボヘミア大学(チェコ)で版画を学んだ。2020年3月で留学を終える予定だったが、パンデミックの影響で渡航不可能となり、さらに4ヶ月間チェコに留まることになった。ロックダウンの中、ひとけのないプラハの街をひたすら歩き回った。住んでいたピルセンからプラハへ向かうガラガラの列車のコンパートメントで音楽を聴きながら、ボヘミア地方の景色を堪能した。

ラジオ番組が終了してから、大切にしていた私の生活の一部が消えた。その喪失感を埋めるため、私自身がDJとなり、6時間のラジオ番組と「ソングブック」を制作し、それらをボブ・ロジャーズに捧げることにした。

 

©2025 Hanako Kudlic.

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